オンライン講座を作り始めたときは、「この人に、この内容を届けたい」という方向性が見えていたはずです。
けれど、構成を考えたり教材を作ったりするうちに、何を完成させようとしているのか分からなくなることがあります。
受講者の役に立つ情報を追加したはずが、かえって講座全体のまとまりがなくなったり、分かりやすく整えようとするほど、当初の目的から離れていくように感じたりすることもあります。
これは作業を怠っているわけではなく、むしろ真面目に丁寧に考えているからこそ、途中の細かな判断が積み重なり、最初に設定したゴールが見えにくくなっている状態と言えます。
このような状況に陥ると、「最初の設計が甘かったのではないか」「また最初から考え直したほうがいいのではないか」と、自分の進め方に不安を感じてしまいがちです。
ただ、ゴールのずれは一度の大きな失敗で起こるというより、小さな判断の変化が積み重なって生まれることがあります。
この記事では、オンライン講座の作成途中でゴールがずれてしまう理由と、講座全体の方向性を保つために見直したい考え方を整理します。
自分を責めるのをやめ、現在の設計や思考を客観的に見直すきっかけにしていただければ幸いです。
ゴールが途中でずれてしまうときに見直したい最初の設定
ゴールのずれの原因を探るには、現在の教材や構成だけでなく、作成をスタートした時点で何をゴールにしていたのかを振り返る必要があります。
ここでは、講座の方向性を決めたつもりでも、制作を進める中で判断基準が曖昧になりやすい理由を整理します。
ターゲット層と受講後の変化が明確に区別されていない
「初心者向け」「これから始めたい人向け」といった対象者を決めていても、その人が受講した結果として「どのように変化するのか」まで具体化できていないケースは少なくありません。
ターゲット層だけを基準にしてしまうと、その人に役立ちそうな情報を何でも盛り込みたくなり、結果として講座の範囲が際限なく広がりやすくなります。
「誰に届けるか」と「その人にどこまで到達してもらうか」は、似ているようで分けて考えるポイントです。
伝えたい内容そのものがゴールになっている
自身の経験や知識を伝えたいという熱意は、講座作成における大切な原動力です。
しかし、伝えたいことをすべて網羅しようとすると、受講者にとって必要な学習順序や適切な範囲よりも、自分が話したい内容の提示が優先されてしまうことがあります。
伝えたい内容が増えること自体ではなく、何を残し、何を省くかの基準が曖昧なままだと、講座のゴールがずれやすくなります。
最初の設定を見直すときは、対象者の属性だけでなく、受講後にできるようになることまでセットで確認することが大切です。
ゴールが途中でずれる理由を講座設計の流れから見直す
最初にゴールを決めていても、設計や制作を進める中で多くの判断が必要になります。
ここでは、一つひとつは適切に思える判断が、なぜ結果として講座全体の方向性を変えてしまうのか、その構造を考えていきましょう。
制作の段階ごとに判断基準が変わっている
構成では分かりやすさ、スライドでは見やすさ、動画では説明の丁寧さなど、制作の段階によって意識する点は変わります。
それぞれの判断は間違っていなくても、その場の気になる点を優先し続けると、講座全体の軸が後回しになりやすくなります。
問題は判断の多さではなく、そのたびに何を優先するかが変わってしまうことにあります。
私自身、講座を作っていたとき、内容に問題があると思って見直していましたが、振り返ると、途中で何を基準に判断するかが変わっていたことに気づきました。
完成度を高めようとするほど講座の範囲が広がる
受講者に満足してもらいたい、不備を感じさせたくないという思いが強いほど、補足説明や事例、関連知識を付け足したくなるものです。
追加したい情報はどれも役立ちそうに見えるため、削る理由がわからなくなり、講座の内容や範囲が少しずつ広がっていきます。
「完成度を高めること」が「情報量を増やすこと」と同じ意味になってしまうと、ゴール自体も制作の過程で書き換わってしまいやすくなります。
自分らしさを意識するほど、講座に盛り込む内容が増えていく
オンライン講座には、単なる知識だけでなく、これまでの経験や独自の価値観が反映されるものです。
そのため、他者との差別化を意識するうちに、知識を教える講座なのか、マインドを伝える講座なのか、受講者を鼓舞する講座なのか、役割が混在してしまうことがあります。
どの要素も大切に思えるからこそ、この講座で何を一番の役割にするのかが決めにくくなっているのかもしれません。
たとえば、操作方法を学ぶ講座に、仕事への向き合い方や継続するための考え方まで加えていくと、どこまでを本編に含めるべきか判断しにくくなることがあります。
制作中に内容が増えたり役割が変わったりしたときは、個々の修正内容だけでなく、判断の基準そのものが変わっていないかを確かめる必要があります。
ゴールのずれを防ぐために設計全体で見直したい視点
ゴールのずれを防ぐとは、最初に決めたことを絶対に曲げないという意味ではありません。
内容を変更するときも、講座全体の方向性がぶれないための考え方を整理します。
内容を変更する前に、判断基準の変化を確認する
構成を変更したくなったときは、変更案そのものだけでなく、「なぜ今、それが必要だと感じているのか」という理由を振り返ると、ゴールとのずれに気づきやすくなります。
「本当に受講者に必要だから」なのか、「説明不足への不安から」なのか、あるいは「他社の教材と比べて物足りなく見えたから」なのかによって、修正の持つ意味は大きく異なります。
変更すること自体が問題なのではなく、どのような基準でその判断をしたのかが曖昧なまま進むことで、全体の一貫性が見えなくなってしまいます。
全体のゴールと各教材の役割を共通の基準で評価する
講座全体のゴールと、各章・各教材の目的が切り離されてしまうと、一つひとつのコンテンツの出来が良くても、全体として繋がりのない構成になってしまいます。
それぞれの教材が「受講生のどんな変化につながるのか」を基準にすると、入れたい内容と必要な内容を分けて考えやすくなります。
まずはすべてを削ったり決め直したりしようとせず、ゴールとの関連性を一度確かめてみるだけで十分です。
「誰が、どこまで変わる講座か」を明確な言葉にしておく
設計を見直す際は、「誰のための講座か」に加えて、「受講後にどのような状態にまで到達しているか」を一文で書き出してみるのが効果的です。
その一文が正解とは限りませんが、内容を追加するか迷ったときに考えを戻す手がかりになることがあります。
一人で言語化するのが難しい場合は、講座づくりの考えを参考にしながら整理することで、目的と手段を客観的に切り分けやすくなります。
まとめ
オンライン講座のゴールは、突然大きくずれるというより、制作中の小さな判断が重なることで、少しずつ最初の方向から離れていくことがあります。
その背景には、ゴールの曖昧さや判断のぶれ、完成度へのこだわり、役割の増えすぎなどが関わっています。
最初から完璧に設計するよりも、内容を見直すたびに元のゴールを確かめる方が、講座全体の方向性を保ちやすくなります。
こうした頭の整理には一人で悩み続けるよりも、講座づくりの考えを学びながら目的と手段を切り分けていく方法も有効です。
講座のゴールをうまく言葉にできないときは、関連する記事にも目を向けてみると、考えるヒントが見つかるかもしれません。
設計で行き詰まった際のひとつの選択肢として、心に留めておいていただければ幸いです。
一人で講座づくりを考えていると、調べるほど迷ってしまったり、自分に合う進め方が分からなくなったりすることがあります
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